陣略武王戦2021 決勝考察

まえがき

 天衣無縫の皆さん覇軍おめでとうございます。決勝戦はbet時間を逃すという失態をしてしまいましたが、両軍の白熱した戦いで楽しく観戦できました。

 恒例(?)のトーナメント考察ですが、陣略は履歴解析に膨大な時間がかかるので決勝のみ。流し読みで山岳を見るだけでも3時間以上かかって後半はちょっと雑にしか拾えてないので数値間違ってる可能性ありますが、ご容赦下さい。

基本戦略の違い

 対戦表の結果を見る感じ天衣無縫と四つん這い以外は恐らく3陣戦略。印象的だったのは四つん這いの山岳捨て、山岳捨ては連合内の攻計バランスの問題で一番難しい戦略だと思っていたのですが、最終盤面までに天衣無縫側に上手くリソースを吐かせつつ河岸勝負に持ち込んだ形になっていて超接戦でした。陣略は2陣取れば勝ちなのでリソースを2陣に集約した方が基本的には勝率が高いです。巌流の仕込みも無いので陣地の完全放棄のデメリットもそんなにありません。理想は捨て陣地も追い付ける可能性を匂わせつつ相手にリソースを吐かせる展開ですが、決勝の天衣無縫は完全に2陣に特化した戦略。今回の陣略ではn陣に狙いを定める、とは別にもう一つのキーポイントがあります。後述しますが、天衣無縫はその点を活かしていたと思います。

天衣無縫 vs Re:絶望

 前衛の役割分担に注目して履歴を拾ったのでその点を中心に書いていきます。

 まずは平野。お見合い状態から絶望が鼠を入れて天衣無縫は確固合わせ。絶望は0.7京の打点を稼ぎますがメンバーは山岳兼任の3名で相当数の単体系強打を消費してしまっていました。鼠終わりに天衣無縫も即放棄ではなくて暫く単騎防衛の素振りを見せてますが、他2陣の攻めに合わせて放棄。

 次に河岸。中盤に天衣無縫が暴欲で1.2京の突き放しをした後は山岳の取り合いに注力してラスト神降ろし勝負。神降ろしのタイムスケジュールは両軍共に3名×2の計6名。天衣無縫は暴欲を別の3名で回していたので総計9名。内訳をみてみると天衣無縫は山岳河岸6名と河岸専属3名。絶望は山岳河岸2名と河岸専属4名。山岳のタイムスケジュールを並べるとわかるのですが、絶望側は計略比率が高く、平野も先行した状態だったので山岳を有利に運んだら残りを河岸に回すイメージだったのかも知れません。

 最後に山岳。奥義の差し合いは動画を見ればわかるので割愛。絶望は兎に角合わせの精度が高く、最初の背水では天衣の不落発動前に一度の合わせでスパッと取って終わりとスキル配分も上手い。正直、最初の背水合わせを見た時は絶望が山岳を取り切ってしまうと思いましたが、最終的には天衣無縫が逃げ切り。この差が何かと言うと恐らく攻計ハイブリッドにあると思っています。詳細は後述しますが今回の陣略は攻計ハイブリッドが鍵だったと思います。見落としがあるかも知れませんが、前衛に入ったメンバー数は絶望12名に対して天衣無縫は11名。それでも天衣無縫は最終10京差を付けており、平野にリソースを落とさせた分を加味しても天衣無縫の方が総打点は上です。

 デッキに関しては後で纏めて書くので置いておいて。山岳における両軍の前衛の動きを見てみます。まずは攻撃手段。

攻撃手段 攻計
天衣無縫 2 3 6
絶望 3 9 0

 次に奥義。

奥義 攻計
天衣無縫 背水、鏡(精神)、神懸り 暴欲、全知 精神
絶望 背水×2、一意 精神、暴欲、神降ろし

 ラスト絶望の神降ろしには攻撃メンバーも前に加わっていましたが、火力が足りず前に行くしかなかった感じなので実質は攻撃担当だと思います。天衣無縫が前衛、奥義共に攻計をバランスよく配置しているのに対して、絶望は計略中心と全く違った戦略でしたが、結果は天衣無縫が総打点で上回る結果になりました。

 天衣無縫がどこまで予定通りに進行していたかは不明ですが、ラスト神懸りvs神降ろしになった時点でほぼ同点なら攻撃側に分がありそう。計略のマイナス要素はHP依存。光芒系の効果を上げる天文道は何故かHP依存系、更に絶雷系もHP依存な上に回転率が悪い。つまり最終盤面で撃ち合いの状況になった場合、攻撃側の方がより高く打点を積み上げる可能性が高いです。天衣無縫が山岳で先に計略を吐き出してラスト攻撃勝負にしたのはこの点を意識していたんじゃないかと推測しています。

陣略におけるハイブリッドの重要性

 ハイブリッドの有用性そのものは以前の記事で書いたと思いますが、一撃の重さに関しては理想状態で比較すれば当然知勇ガン積みデッキの方が上です。でも実戦においてはそれほど差はありません。実際に私がお邪魔していた連合でも攻計ハイブリッドの人が居ましたが、特化メンバーと比較して一撃に大きな差はない上に、総火力で言えば常にトップクラスでした。勿論連合事情によるのですが、上位に行くにつれて攻計ハイブリッドの方が強くなっていくと思います。

 ハイブリッドを組むことで本隊長スキルの厚みが増します。例えば攻撃特化の場合、知将側の本隊長は空きますし、武将側も効果大の小隊長が付いたり、本隊長スキルそのものが威力の低いものが混ざってきますが、ハイブリッドにすることでより強いスキルだけで本隊長を固めることができます。特に山岳に関しては攻or計に特化するよりも多分ハイブリッドの方が総火力が出ると思います。平野や河岸に関しては本隊長スキルの質、量共に潤沢ですが、富嶽ルールに適性のある本隊長カードはそれほど多くありません。攻撃だと25元親、25小次郎、24信忠、24福島の4枚。次点に23政宗と極突3枚。計略も25三好、24竹中、24信長毛利。次点に23黒田。残りは主に継承枠で埋めていくことになります。つまり単体系に特化させていく場合、継承枠をどれだけ有効に使えるかが重要になってくるのでその点でハイブリッドデッキが有利だと言えます。

 ただ、私自身ハイブリッドデッキを作れないので攻計比率含めてこれは完全に机上の話です。履歴を綺麗に拾っていけばわかるかも知れませんが、、、履歴拾ってる途中で気付いたので諦めました。

あとがき

 戦略という言葉の定義次第ですが、個人的には合戦前に行う全ての準備を戦略だと思っているので、分析、デッキ準備、役割分担等も含めて全て戦略だと思っています。結果だけを見ると山岳と河岸の力比べに見えるかも知れませんが、攻計の比率に注目してみるとまた違って見えてくると思います。

 あとは陣略とは関係ないので割愛していますが、敵味方のステ差の作り込みはかなり重要。中堅クラスの連合だと合わせは難しいかも知れませんが、この点を意識して不意をついて仕掛けるだけで相当なダメージを叩けると思います。

 正直、もっと単調な合戦ばかりになると思っていたのですが、どの対戦も見ていて楽しかったです。運営が動画をアップしたら全戦観戦しようと思います。