皇トーナメント考察

まえがき

 『神よりも疾く』の皆さん、皇制覇おめでとうございます。ラスト逃げ切りは圧巻でした。

 いつものごとく勝手に考察していきますが、主に動画とトーナメント表の結果ページから読み取れる内容だけで考察。計略中心の合戦だと履歴が長くて見るのが億劫(面倒)なので少ししか見てません。結果から戦歴見れますがグラフは閉じちゃうんですね、残念。決勝のグラフだけは見たのですがそれ以外は見損ねてしまいました。

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 今回の皇は戦略が大きく二つ。パンティの取った攻撃特化かカミハヤの取った攻計ハイブリッド。初戦の結果を見てみると攻撃特化は恐らくパンティとロジックの2連合、他は攻計戦略。この2つに関してはどちらが優れているかは判断が難しいです。最大だけで見れば攻撃特化のほうが火力は上だと思いますが、計略は精度が抜群に高く敵中妨害のオマケつき。トーナメントクラスの連合事情は分かりませんが、多くの連合は攻撃特化と計略特化のメンバーが混在している点からも、個人的にはカミハヤ戦略を推します。

 全体で共通する内容としてどの連合もしっかりと下げを積んでしました。復起万回登場初期は仕掛けで相手よりもステを高くするだけで勝てました。でもその上げも既に頭打ちになってきており、そうなると次に必要なのはステ差、つまり下げです。これは単独ではなく連合全体で準備してタイミングを合わせて使わないと効果が出ません。戦力グラフの推移をみるとパンティのステ差の作り方は完璧でした。このクラスになってくると開幕分のステ下げ、絆最大3発に対抗するだけの下げを積んでいるのかも。そうなると天破どころか宵闇も入らないと思います。ただし、繰り返しになりますが単独で下げを大量に積んだところで影響は限定的。連合全体でデッキを作り込むかどうかで優先度は違ってくるのかなと思います。

 デッキに関してはハイブリッド戦略でも火力担当が攻計ハイブリッドデッキにしているという訳ではないと思います。攻撃特化の仕掛けの間、計略特化は上げ下げ。計略特化の仕掛けは攻撃特化が上げ下げ。所謂ローテを回すことで各々が特化デッキでも連合全体で攻計ハイブリッド戦略が成立します。というか前衛デッキの多極化が進んでいるので攻計ハイブリッドデッキは通用しなくなってきていると思います。

カミハヤ vs パンティ

 開幕パンティは電光→機知に回復連打でステ上げ。対するカミハヤは待機中に攻撃コンボを積んで光風で回復連打。戦力グラフを見ると機知残り60s付近で平均戦力に倍近くの差ができています。もしかしたらパンティ側は数名炎に届いてるのかも。開幕から回復注力した分だけパンティの回数が上ですが、それだけでここまでの差は開かないと思うので恐らく回復スキルも散らしていたんだと思います。その後の両者の大吉は上げ下げですが、恐らく回復連打で上がった相手のステを落とすのが主目的。カミハヤは神降ろしで計略の打点を積み上げます。

 そしてここが最初の勝負の分かれ目。パンティは消魔で大吉を消して絆(狸)を投入しますが、カミハヤが敢えて消さずに神降ろしを使い切ったことで狸を見られてしまいます。相手に見える時間での先出し狸は悪手ですが、恐らくパンティはカミハヤも消すことを想定していたんだと思います。その後、パンティは破城下げで狸先出しの不利を帳消しに、破城の下げが強力とは言ってもここまでステ差をなくしてしまうのは想像していませんでした。ただここで下げを多く消費してしまったせいかカミハヤの火力が止まりませんでした。カミハヤは初戦、準決勝と比較すると倍近くの総打点を稼いでいましたが、パンティがここで多くの下げを消費したことが影響していそうです。それでもカミハヤの狸の時間を除いて平均ステ優位をキープしていたパンティのステ作りは凄いです。

 残り絆3発と破城で計14分。延長までカバーすることを考えると残り13分付近に絆投入が考えられます。初手ジャンケンに勝てば破城でずらして残り絆2発使う。負けた側は破城を返して絆ジャンケンをする、或いは避けて火力勝負が考えられます。カミハヤのように残り絆3発だけにされると今回のように絆を見られるリスクがあります。ただ、水霊絶天のように見られても問題ない事もあるのでここも難しいところです。なのでここで消さないという選択は思い切った読みだと思いました。

 2回目の絆はジャンケン。カミハヤは風霊でパンティは水霊。パンティが火霊を出していればという場面ですが、ここで火霊を使ってカミハヤに水霊を置かれると詰んでしまうので温存しておきたい場面。カミハヤとしても風霊vs火霊になるとラスト厳しくなるので結局は読み合いです。ラストも猿に風勢をあてれば封殺でしたが、仮に火霊がくると捲られる可能性が高いので水霊での殴り合いを選択。猿vs水霊の殴り合いは汎用性の高い猿が有利ですが、お互いに敵中強打を残している場面なので水霊も一方的に不利にはなりません。また風霊で広げたリードがあるので猿に対して水霊を置けば逃げ切れるという判断だと思います。

 最終的にはカミハヤが逃げ切りましたが、絆の対面が一つでも違えばまた結果も変わっていると思います。ジャンケン勝負といえばそれまでかも知れませんが、それ以外の場面でも駆け引きのある合戦でした。結果だけ見ればパンティの先出し狸や水霊選択は状況を不利にしてしまいましたが、ミスを犯したわけではありません。合戦後の議論なんかでもここら辺を説明するのが難しいのですが、合戦中のミスというのはいわゆる奥義間違いやスキル誤爆。相手との読み合いがある要素に関してミスというものは無くて、それぞれが選んだ選択でたまたま勝敗が決まるだけです。そもそも結果として○○を出しておけばよかったというのはあまり意味がありません。ぐーちょきぱーのジャンケンで負けたときに違う手を出しておけばよかったなんて言うのは見ればわかるし敢えて議論するようなことでもないです。炎舞の絆奥義は選択に至るお互いの過程を想像する事が大切だと思います。

カミハヤ vs まいちゃんず

 準決勝の対戦カードですが大接戦だったこの試合。こちらもポイントは2つ。

 1つ目はまいちゃんずの絆2手目の猿。時間半分で追いついていたので、水霊ならもっと、と思えそうな場面ですが。猿の利点の汎用性。対水霊の防御行動は計略と下げでいいですが、猿の場合は勇猛も計略もなので防御が難しい。仮に水霊を撃って抑え込まれてしまうとラストが厳しい、また逆にあそこで大きく突き放すとカミハヤのラスト絆に猿の選択肢が増えてしまい互いに残り火霊・猿・狸。点差上から猿を置く選択肢もゼロではありませんが、読み合いとしては若干不利な印象になります。それなら猿の有利点を確実に使っておいたほうがラスト読み合いの面でも五分からやや有利。

 2つ目はラスト狸直前の動き。戦力グラフが見れていないので正確な状況は不明ですが、履歴を見た感じ火霊vs狸でジャンケン負けしているはずのまいちゃんずの火力も負けていません。そこまで見越していたかはわかりませんが、カミハヤが先行して絆を撃ったことで後攻の猿に対して発動確認で破城。結果10sですがラストまいちゃんずの絆が先に発動しています。確かにこの数秒でステ差を作ることも可能だと思いますがそれにしても属性負けで延長含めて2分間、火力負けしないというのは信じ難い状況。何でだろうと思って履歴を見ると狸発動直前からガンガン下げて発動で一気に上げてます。火霊は相手の絆が風属性の場合、能力減少効果がカットされる効果が付きます。火霊が発動してから下げてたのでは恐らくここまで拮抗できなかったんじゃないでしょうか。特に狸のような倍率の大きな奥義を使うと多くの人は奥義発動中に高い数値を出そうとします。トーナメント連合の殆どがそうだと思いますが、個人戦績に拘らずにこういった場面で下げを撃てるチームワークは流石です。下げを多く撃たない合戦だと狸の火力は火霊の30%位にしか感じませんでしたが、ここまでしっかりとステ差を作ることが出来れば引けを取らないレベルまで引きあがるんですね。ステの重要性を改めて感じた場面でした。

あとがき

 前回の天一は水霊絶点一強で序盤に殆ど勝敗が決していましたが、今回は最後まで分からない合戦が多く見応えを感じました。次の天一は陣略、、、ですが絆環境の陣略はちょっと想像したくないです。絆奥義使用禁止の天一があっても良いとは思うんですけど、どうする気なんでしょうか。