賢王トーナメント考察

まえがき

 賢王トーナメント戦は予想に反することなく全連合蛞蝓を選択。その結果、絆の読み合いよりもシンプルな練度勝負に近い印象でした。私が観戦したのは「カミハヤvsパンティ」「アルカナvsカミハヤ」「Re絶望vsアルカナ」。各カードの感想と参考になる場面の解説を書いていきます。履歴分析をやっていないので大まかな流れから読み取れる内容のみになります。

カミハヤvsパンティ

  • 絆設定
    • カミハヤ:火、鼠、鯉、猿、風、狸
    • パンティ:火、狼、鯉、猿、風、狸

 コンボの積み上げ方が両者異なっており、カミハヤは連舞と応援に注力。対するパンティは刹那系を使い攻撃コンボの積み上げも行っていました。連鎖を加味して合算のコンボ値だけを積み上げるなら確かに攻撃の方が早く高く積み上げることが可能です。ただし、蛞蝓ルールを活かす場合、アタッカーに限れば退却倍化や九尾を考慮するなら連舞注力の方が火力が高くなります。サポート役が一時的に前に行ってコンボを上乗せすることでアタッカー陣の土台を少しでも高くすることも考えられますが、基本的には遊撃では前後の活動時間の長さがそのまま前後のスキル効果に影響するのでなるべくメイン行動側の活動時間を長く確保したいです。

 とは言え、コンボ・回数の補正値はある程度まで積み上げていくと誤差になってくるため、総力戦と考えた場合には前後活動時間の最適化をすることで総火力が引きあがる可能性もあるので一概にそれが悪いわけでは無いです。ただし、これは各人の戦力分析と回数補正値の分析が正確にできていないと逆に総火力を落とす事にもなるので現実的にはかなり難しい気がします。仮に総火力を活かすとしても味方の鯉に対して宵闇妨害が想定されるため、数名の以心要員は必須。また鯉同士の対面になった場合には宵闇による妨害要員も欲しい。これを後衛が担う場合はそのメンバーの嵐華を消化する時間帯も必要なので攻撃コンボ積みに時間を割く余裕はあまりないのかなという気がしています。

 両者計略戦略ですが大きく攻撃コンボと神降ろしの使用タイミングに違いがありました。パンティの早々の神降ろしに対してカミハヤは後追いで鬼謀を合わせて打点を削ります。鬼謀がはみ出している状態で消魔を使わなかったことから終盤に注力する事が読み取れます。暫く奥義無しの状態が続いてカミハヤは月→暴欲、先に月を出すことで仮に暴欲読みで破城を使われても下げを躱せるのと、暴欲前にステ調整をする狙いでしょうか。パンティは不落→破城と繋いでおりこの奥義対面だけでみればパンティ優勢に見えますが、カミハヤが暴欲で一気に追いつきます。遊撃では的が分散されるので例えば月で草木や威喝を使うことで確実に大人数のステを削ることが可能ですが、上位連合であれば恐らく下げのベースは前衛優先効果のある刈魂だと思われるので下げ性能は月よりも破城の方が高いです。ですが、カミハヤの暴欲を止めきれず神降ろしのリードを取り返されてしまいました。暴欲と神降ろしは用途が違いますが、暴欲は瞬間火力で神降ろしは総火力を取る奥義です。遊撃で火力を出す場合、前衛の配置を少なくする動きが基本ですが暴欲で計略メンバー全員の強打を回すことはできません。神降ろしは発動時間も長いのでローテを回しながら連合全体の総火力を稼ぐことが可能。神降ろしの運用方法はルールと連合事情によって変わりますが、今回のルールでは計略得意メンバーが少ない場合はステ参照要員を作ることで安定度を高める戦略も有用ですが、仮に全員が計略で稼ぐ力がある場合は、神降ろし中にある程度ローテを回して打点を積み上げていったほうが良いと思います。

 カミハヤは暴欲の後、神降ろしで打点を積み上げ、対するパンティは見てから鬼謀を入れた後、消魔で消して猿を投入。それを見てからカミハヤも消魔で30s後追いの風霊。パンティは猿を確実に使って追い上げを狙った選択ですが、ここで奥義時間がズレたのでお互いに絆を有効に使える時間が生まれて力勝負に以降。神降ろしの点差が大きくない状態のため猿で追い上げも時間があまり、かつカミハヤの風霊を重ねられてしまい一気に点差を広げられてしまいました。ラスト風霊を使うも詰め切れずにカミハヤ勝利。

 カミハヤは風霊を主攻にして、次点に暴欲、神降ろしの優先順で注力していたように感じました。対するパンティは神降ろしを早々に使っていたので風霊に火霊を当てて相手の打点を削るのと総火力の底上げをする狙いなのかなと推測したのですが、結果的には同じく風霊最注力だったのかも知れません。

アルカナvsカミハヤ

  • 絆設定
    • アルカナ:鼠、狼、鯉、猿、風、狸
    • カミハヤ:火、鼠、鯉、猿、風、狸

 序盤は省略。中盤に差し掛かるタイミングでアルカナは精神で単発計略で牽制。精神終わりにカミハヤが鬼謀を入れますが、アルカナが発動を見てから神降ろしを投入したため上手く躱されてしまいました。カミハヤの鬼謀はある程度決め打ちか神降ろし読みだと思いますが、あのタイミングで待機時間の長い奥義は鬼謀か神降ろしの二択に近いのでアルカナにすればどちらが来るにしても見てから対応で良さそうです。カミハヤは後追いで暴欲→神降ろしを使いますが、アルカナが風霊を投入したことで途中で消魔打ち切り。この時点で点差は大きく開いていませんが、状況的には神降ろし有効時間分アルカナが優勢。神降ろしは攻めの面でも有用ですが、相手に下げを撃たせる意味でも有用です。上位クラスになればスキル枯渇はあまりないと思いますが、中堅以下であれば神降ろしを途中で切るのはこちらのスキルを撃ち切れないのと相手の下げを温存させることに繋がるのであまり消したくはないです。風霊終わりに暴欲狸と同じ対面(カミハヤの暴欲は鏡)ですが、風霊で付いた差が埋まりません。ラストカミハヤの猿を鬼謀で上手く抑え込んでアルカナがそのまま逃げ切り。

Re絶望vsアルカナ

  • 絆設定
    • Re絶望:狼、鯉、猿、風、狸、隼
    • アルカナ:鼠、狼、鯉、猿、風、狸

 絶望は絆奥義に隼を設定。隼は他の絆奥義と異なり水属性に当てないとそれほど火力は出せません。終盤の猿に当てると勝敗が決するレベルですが、相手次第なので戦略上で隼を火力奥義として考えるのは難しいです。絶望は開幕アルカナの常夏に対して鯉、後追いでアルカナが鯉を入れてそれに対して絶望の隼。10s程度しか鯉を潰せませんが、鯉潰しはあくまでもオマケで単に補助発動上昇を使っただけかもしれません。現環境は計略に限らず、補助発動率を上げることの恩恵は大きいです。絆中心の環境なので序中盤はコンボ積みの時間が増えて星や沖天をよく見かけますが、補助発動率が上がることでコンプラ補助が常時発動すればコンボ奥義とほぼ同速な上に、応援補助の発動率を上げることでほんの少しですがステ差を作ることも可能です。また化形発動率を上げることで九尾効果も上がるのでコンプラ奥義を並べるよりも結果的に最終火力が増します。ただし、侘びは奥義神嵐じゃないと待機時間が長すぎるので使いづらいです。

 中盤は絶望は暴欲、鏡(暴欲)、アルカナは暴欲、鏡(暴欲)、精神。この時点で打点は互角。アルカナが先出しで全知を入れましたが、絶望がそれを見てから精神。アルカナは相手の奥義投入を見てから消魔。先に風霊を入れて先行する狙い。絶望も後追いで風霊を入れますが、ここで点差が開きます。残り6m50s程度で絆の残りと点数的にはアルカナ優勢。あとは絆次第で、、、と思っていたら神降ろし、ここでアルカナの選択肢は狼抑えor狸か神降ろしで撃ち合いが考えられますが、狼で打点を削りに行きます。このタイミングで神降ろしを使うということは絶望側は余力を残している可能性が高いです。一方アルカナは狼→猿と繋いでいる状況からそれほど余力を残していないのかも知れません。最後は猿と全知のシーソーで絶望の勝利。下付全知は確かに強力ですが奥義効果だけを比較すれば猿とのシーソーで互角を取れる奥義では無い気がします。ここまで撃ち負けないのは絶望が絆じゃんけんを避ける前提でどうやって相手の上を行くかを考えてスキル配分を行っていたんだと思います。実際ラスト数ページの履歴だけでも、戦況分析グラフで見える以上に絶望側がステ有利で上に付いた後も火力をしっかり出していました。

あとがき

 ぱっと見の奥義構成で読み取れる内容は表面的なものだけです。より戦略を読み解こうとするなら戦況履歴の読み込みは必須です。これも時間が掛かる作業なのでなかなか難しいですが。どれか一戦だけでも良いので上位連合がどういう風にスキル配分をしているのかを知ることのできる貴重な機会なので上を目指すのであれは天一の履歴はとても重要な資産だと思います。

 炎舞に費やせる時間が減っているのでモチベが下がっているのですが、久しぶりに戦況履歴を見直したいなと思える合戦が多くて楽しかったです。履歴が見れる期間も決まっているのでスクレコだけとって後からゆっくり見直します。