ダメージの出し方を考える

まえがき

 初心者~中級者向けの内容です。この手の話を連合掲示板等であまり見かけたことが無いので、特に初心者は情報に触れる機会が殆どないと思います。またこの部分の理解があればデッキの組み方や指示出しに対する理解が深まると思います。

 理解なんてめんどくさい、要点だけ知りたいって人は以下の点だけ覚えておけば良いです。

  • デッキの組み方
    • 精度重視:火力補助の種類を絞って積む
    • 火力重視:火力補助の種類を多く積む
  • 合戦中の動き
    • 共通:前衛強打と後衛上げ下げのタイミングを合わせる

合戦中の要素

 大きなダメージを出すために必要な要素は以下の3点です。

  • 強力な奥義でスキルを撃つ
  • 自身のステが高い状態で撃つ
  • 相手のステが低い状態で撃つ

 所謂毒酒連携などの連携行動による前後スキルの同期撃ちが強力なのはこの3点を満たしているからです。コンボは敢えて意識する必要はありません。コンボ数はそもそもデッキ作りの時点で殆ど完結しているのと合戦中の判断材料にならない為です。実際にコンボが○○だから撃つのを控えて△△だから撃とう、と判断している人はいないと思います。

 強力な奥義というのは火霊・水霊・風霊などの単純に最終ダメージがn倍になるものと、啄木鳥などステをn倍にするものがあります。ダメージ計算式が不明なのであくまでも感覚ですが、基本的には最終ダメージに倍率が掛かる方が大きくなる気がします。ステに関しては次項以降で説明。

攻防比とオーラ差

 ダメージ計算には攻防比というものがあって自身の攻ステと敵(対象)の防ステの比率によってダメージに係数を掛けるものです。これもちゃんとした計算式は不明ですが、一般的には以下の様な計算になります。

  • 攻/防
    • (例)
    • 100/200 = 0.5
    • 100/100 = 1
    • 100/50 = 2
    • 100/25 = 4

 一意穿心という相手の防御を無視する奥義がありますが、この防御無視とは上記の計算を使わずに攻防比を最大に固定するものだと考えられます。例えば防の最低を0とすると0除算となってしまうので計算不能。1とすると攻値300万で300万倍と係数が大きくなりすぎるのでこれもなさそうです。そうすると攻防比をある一定の最大値で固定するというのが有力。一意で攻防比を最大にしているということは通常のダメージ計算も同様である可能性が高いです。

 また攻防比だけでなくオーラ状態の差による係数もあります。攻防比とオーラ差によるダメージ検証については以前運営が公表値を出していましたのでそれを引用します。

攻防比 オーラ差 ダメージ
なし なし 18,617,760
最大 なし 64,651,731
最大 3段 90,441,824
最大 6段(最大) 129,100,000

 攻防比最大で約3.47倍、オーラ3段で約1.39倍、6段で約1.99倍。攻防比最大の仕組みがわからないので判断が難しい部分ですが、倍率だけで見れば攻防比の方が影響が大きいと考えられます。

デッキの要素

 あくまでも攻め側のみの要素。こちらも3点です。

  • スキル威力
  • 火力補助の係数合計
  • 攻(知攻)ステ

 一部の要素で簡単な計算式をイメージしてみます。(あくまでも推測)

  • 攻ステ(応援加算)×スキル威力×補助係数合計×攻防比係数×オーラ差係数×コンボ係数×乱数

 炎舞は処理速度が早いのでそれほど複雑な計算式ではないと予想しています。他の係数や防御側の要素も加わってきますが、単純に乗算している可能性が高いです。この前提でダメージ計算に与える影響度が高い順番を考えてみます。3要素の内、2要素が同じ場合に1要素を変動させてみます。

  • 100×50×300=1,500,000
  • 200×50×300=3,000,000
  • 100×52×300=1,560,000
  • 100×50×306=1,530,000

 当然ですがある基準値に対して増加率が大きな程に計算結果が大きくなることが解ります。基準値の大きさや増加値ではなくて率が重要。3つ目と4つ目の計算式を比べてみると増加値は4つ目の式の方が大きいですが計算結果は3つ目の式の方が大きくなっています。これを3要素に当てはめて考えてみます。ある基準値に対して増加率が大きな順番は以下です。

  • スキル威力>火力補助の係数≧攻(知攻)ステ

 デッキ構築の手順で最初に本隊長(スキル)を決めるのはこれが理由です。デッキの纏まりだったり組み込む補助を検討する際に先に本隊長考えたほうが組みやすいというのも理由ですが、一番の理由はダメージ計算に与える影響が最も大きいからです。スキルが違うとダメージは大きく変わりますよね。特効ルールなんかが解りやすいと思いますが、スキル効果が2倍になるだけでも数値が大きく変わります。コラボ特効は300倍とちょっと桁違いな倍率ですが、元のスキルが弱過ぎるのでこの倍率で漸くコスト25スキル相当。視点を変えればコスト25のスキルはこれらのスキルの300倍近い性能を持っているということになります。

 次に火力補助の係数。補助が増えすぎて係数を覚えるのを諦めましたが、仮に基準の係数合計を50、古今Lv30で3とした場合の増加率は0.06です。ステも見てみます。攻値300万に対して知勇1つで6万上昇とした場合の増加率は0.02となります。どちらの方がダメージが大きくなるかは上の式を参照してください。補助とステの関係が完全な大小関係になっていないのはこのように基準値によって変動するからです。

知勇とダメージの関係性

 知勇登場当初は火力補助が飽和気味で発動率も過剰に設定している時代だったので知勇に置き換えたほうが火力が上がっていましたが、現在は火力補助が増えているので単に火力を上げるのであれば火力補助を積んだほうが良いと思います。

 知勇を積むことで基準ステが上がりそれによって閾値も上がります。そのため同じ応援量を受けた際にブレーキを受けにくくなるので到達するステータスが高くなります。表現を変えると高ステを維持しやすいのでダメージが安定、つまり精度を上げることに繋がると言えます。閾値がズレるということはオーラ状態もズレます。例えば今まで100で炎に到達していたとして、知勇を積むことで100では雷状態のままとなります。そうなると攻防比は同じでもオーラ差で知勇が不利ということになります。また供饌系によってブレーキ発生の戦力倍率が2倍になる場合、知勇による閾値上昇のメリットは弱まります。でもカンストまで上げられるなら上限が高い方がダメージが大きくなります。解りにくいですね。結論を書いてしまえば次のようになります。

  • 後衛の供饌系スキルが充実して炎に安定して持っていけるなら知勇は程々で良い
  • 供饌系が少なく雷状態を最高点として稼ぐなら知勇を多く積む方が有利

 スキル充実なら知勇多い方が良いのでは?本当にそうでしょうか、確かに上げを受け続けられるなら確かにその通りです。でも実際の合戦では応援で簡単にステが動くので余程の差が無い限りステが上がり続けカンストに届くことはないです。知勇の最適数を探すなら連携行動を行うことを前提として1連携で炎状態を作れるくらいで良いと思います。

 雷状態を最高点と考えた場合は閾値変動が大きな意味を持ちます。これはオーラとブレーキの閾値が同一ではない事が理由です。まずはそれぞれを見てみましょう。

戦力 ブレーキ
50倍以上 1/2
100倍以上 1/10
300倍以上 1/30
600倍以上 1/250
800倍以上 1/1000
1500倍以上 カンスト
戦力 オーラ
30倍以上
100倍以上
200倍以上
400倍以上
800倍以上

 100倍以外はブレーキやオーラが切り替わる戦力値が異なることが解ります。戦力300倍以上でそれぞれが切り替わるタイミングを抜粋して並べてみます。

戦力 ブレーキ オーラ
300倍以上 1/30
400倍以上 1/30
600倍以上 1/250
800倍以上 1/1000
1200倍以上 1/1000
1500倍以上 カンスト

 同じオーラ状態でもブレーキのかかり方が違うのが解ります。1/250が重くてこれ以上は供饌系を使わない限りなかなか上がっていきません。知勇を積み1/250の始まりを遅らせることで同じ応援量を受けた際に雷の状態の中でもよりステ高くなり、結果としてダメージが上がることになります。知勇を積めばダメージ量が増えるというのは恐らくこの状態だと考えられます。次にこれが供饌系でどうなるかを見てみましょう。スキル効果でブレーキ値の発生する戦力を2倍で計算します、つまり通常300倍で発生していたブレーキ値が600倍で発生することになります。

戦力 ブレーキ オーラ
300倍以上 1/10
400倍以上 1/30
600倍以上 1/30
800倍以上 1/30
1200倍以上 1/250
1500倍以上 カンスト

 供饌系のぶっ壊れ具合がよくわかりますね。通常は600倍以上でブレーキ値が急激に重くなりますが、供饌系であれば炎に持っていくまで1/30のブレーキ値で上げることが可能なので炎まで届きやすくなります。先ほど供饌系を使う場合に1連携で炎状態を作ると書きましたが、具体的な数値で調整していくなら1200倍を目標に連携を組むのが最も効率が良いと思います。その時に応援が強過ぎて簡単に1200倍を超えるようであれば前衛の知勇を増やすか下げ比率を上げていきます。下げは相手次第な部分もあるので安定をとるなら知勇を増やす方向で良さそうです。但し、数値を拾いながら調整するのは困難なので炎オーラ目安で十分だと思います。

 合戦中ではステが最も変動率が大きいです。つまりダメージ計算において最も重要なのは合戦中のステと言えます。そうなるとそのステに影響する知勇も重要に思えます。でも知勇をガンガン積んで前衛の器を大きくしてもそれに水を注ぐ後衛が追いつけなければ無意味です。逆に水が溢れるなら知勇を積んで器を大きくした方が良いです。溢れているという判断基準ですが、個人的にはブレーキ倍率1/250を基準におくのが良いと考えています。

 ここまで書いている内容見ると結局どっちが良いの?って感じると思いますが、その認識が正常です。連合内の前衛と後衛の戦力バランスだけでなく戦略などの様々な要素で評価が変動するため、絶対的な評価を示すことは難しいです。

デッキの組み方

 ここまで読んでもらえば一概にデッキもこれが最適というものが無いことが解ると思います。端的に言ってしまえば火力重視であれば補助種類をより多く、精度重視なら補助種類を絞りこんで再判定スキルを含めて常に一定の補助が発動するようにする、という考えで問題ないです。前述の通りこれは補助種類が増えてきたことが理由で、補助発動率が飽和すればまた知勇優先になるかも知れませんが、少なくとも今の環境はそうではありません。

 実際に私は精度重視でデッキを組んでおり、知勇は30程度と比較的多い方だと思います。でも知勇を10程度しか積んでいない人と比べても最大火力が抜き出て高いということはありません、寧ろ最大火力は劣ることが多いです。その代わり相手の強さ(格上格下)や戦略による総火力の変動幅はかなり小さいです。知勇も精度を高くする意図で積んでいる訳ではなくて、補助種類を絞り込んだ結果として枠が余るのでそれを埋めているだけです。それもダメ減などのサポート系補助優先で組んでおり、優先度でいえば知勇は最後になります。

 デッキ構築における知勇は余り枠を埋めるという考えが良いです。あくまでも火力補助種類の数によって精度と火力のバランスを取り、精度を上げるデッキにすると自然と知勇が増える、知勇を増やすことは精度向上にも有用なので無駄がない。火力を優先して知勇が減っても、必ずしも火力を下げる要因にはならないので問題ではない。という認識で良いと思います。但し、前項でも書きましたが後衛が強過ぎる場合は知勇を増やすほうが良いです。あくまでもベースとなるデッキを構築する際は知勇を考慮しないということです。合戦の履歴から応援がオーバーフロー気味であればそれを受けきれる戦力値にするために知勇を増やしていきます。その場合は火力補助の取捨選択を行っていきます。

 取捨選択するときに大切なのは二者択一をしてその際に相対的な優劣で判断するということです。例えば発動率が同じで倍率が10倍と8倍であれば10倍を選択します。倍率が同じでも発動率が違う場合は発動率が高い方を選択します。これを何度か繰り返していくことで最終的にデッキにはコスパの良い補助だけが残って無駄が少ないデッキになる筈です。また火力補助の発動率は良く80%と言われますがあくまでも目安であって超える必要も無いです。私も精度重視でも発動率76%程度で止まっているものもあります。発動率は高いに越したことは無いですが4%程度は誤差だと考えています。なので火力重視で行く場合であれば補助の数を削らずに発動率を少し下げるのも良いと思います。

あとがき

 ダメージの出し方とデッキの組み方を中心にまとめましたが、合戦中の立ち回りもダメージを出すためには重要です。ポイントになってくるのはステ状況を正しく判断することと、ステ状況がどう変動するかを予測することです。ステ状況は秒単位で大きく動いていくので、上手くピークに合わせることが大事です。連携行動はこれを意図的に作るものですが、それを意図的に作れないのであれば予測するしかありません。

 所謂当て感と呼ばれるものですが、戦況履歴や戦力グラフを見ていくとある法則性が見えてくると思います。戦力グラフが横ばいになるのは圧勝以外では有り得ないので除外。戦力グラフは戦力の推移を100%再現している訳ではなくて数秒単位(30s)の値を拾ってそれをグラフ化したものです。なので戦力グラフで山を描いていても実態はもっとジグザグになっている筈です。でも山を描くということは一時的に上げ効率が勝っている状態だと言えます。その理由を考えてみましょう。これはステが低くって下げの効果量が減ることで相手の下げそのものの弾数が減る、そしてステが上がってくると下げが強くなり下げの弾数が増える事が理由です。意図的な連携行動が無い場合、多くの後衛は自身の使用したスキル効果量やオーラ状態を見てスキルの使い分けを行っています。供饌系が大量にあれば炎状態でも下がることを前提として連打可能ですが、弾数が限られている場合はなるべく効果量が大きくなるように打つと思います。これは高い効果量を出して悦に浸りたいという事ではなく、その方が効率が良いからでごく自然な行動だと思います。なのでピークを待ってから強打を撃ち始めるよりもピークの上がり際を察知して強打を撃ち始めたほうが良いステ状況で撃てる可能性が高いです。上がり際を察知する為にはその連合において山がどう描かれるのか(角度・高さ・タイミング)を把握することが大事です。なんとなくスキルを垂れ流すよりも山の描かれ方を意識するだけで精度と火力を上げることが出来ると思います。

 あとがきなのに長くなってしまいました。終わり。