2022賢王決勝考察

まえがき

 logicの皆様、覇軍おめでとうございます。三冠達成は初。

 リーグ戦の結果を見てみると、どのリーグも1位と2位の差が大きく開いていました。このことから上位は全体的に絆じゃんけんを避ける傾向が強くなっているように見えます。トーナメント戦は全戦イージス観戦で戦況を後で見直してみましたが、絆じゃんけんは無し。22時以外はリアルタイムで見れていないので他の合戦を観戦できませんでしたが、初戦の波乱が無かったことを見る限りどの連合もじゃんけんは避けていたんじゃないでしょうか。

 結果的に攻守ターン制の殴り合いで純粋に総合火力を安定的により高く積み上げた方が勝つという流れ。そうなってくると絆奥義の是非を問いたい所ですが、野暮な話題なので割愛します。

 以下考察はあくまでも一個人の意見なのでその点ご承知ください。履歴もちゃんとみるととんでもない時間がかかるのでお互いの仕掛けを流し読みしただけです。

兵法選択

 1連合くらい水(攻撃メイン)があるかなと思っていたのですが、sociusが火を選択している以外は全て風。

 決勝のイージスの水霊火力を見る限り、最大値に関しては風兵法の風霊よりも水兵法の水霊の方が高いように見えましたが、hit数やHP状態でブレてしまう攻撃よりも安定高火力を叩ける計略で確実に積み上げを狙う意図だと思います。

 この辺りは連合全体の火力リソースで変わってくる部分だと思いますが、トナメクラスの様に火力リソースとして期待できるメンバーが多い場合は確実に積み上げ出来る計略メインの方が強いです。

イージスの基本戦略

 計略メインの攻計ハイブリッド。ローテもシンプルで絆奥義に合わせて前衛を配置。計略班は風6名、熊6名の計12名。攻撃班は6名でモモンガと水。総計18名。

 鯉でコンボ、回数をブーストして絆4種で打点積み上げ。風熊で計略、水霊は巌流とランダム積み上げ、モモンガは安定積み上げ。決勝では水霊をラストに回していましたが、結果からみるとモモンガの位置で水霊を使った方が良かった気がします。ロジックが計略主体で堅実に積み上げしていたのと、時間的にラストの絆が延長にかかってしまうので、先にモモンガで安定積み上げを狙ったのでしょうか?ここは勝敗に影響した要素の一つに思います。

 私はイージスにbetしていたので延長もう少し長ければ、という思いはありましたが、延長は結局のところ運なので軍師視点では延長前までに勝敗を作る意識が大切で、この点は流れでも変わってきますが、今回ロジックに軍配があがりました。

ロジックの基本戦略

 計略特化。連鎖があるので単純に連舞数を伸ばすなら攻撃コンプラの方が速い。この点はトナメ連合全てに共通していましたが、決勝のロジックのコンボは兎に角、速かったです。

 仕掛けは風と熊を計10名でそれぞれローテ。猿5名。狸は5名に猿班から2名、風熊班からも4名の計11名。総計20名。

 印象的だったのは狸。この点も勝敗に影響した要素。正直、狸であれほどの火力を叩けるとは思っていなかったのですが、履歴を抜粋して見た感じ風・熊と比較するとダメージの振れ幅は大きいものの最大3000兆くらい叩けていました。火水風をバランスよく配置するなかでモモンガではなく狸を採用していたのは、仮にじゃんけん勝負になっても兵法効果でモモンガとあいこになっても撃ち合いで勝てるという算段だと思います。

 風と熊で使ったスキルまでは追ってないのですが、敢えてローテを回したと言う事は風主砲、熊副砲でスキルの使い分けをしていたのかも知れません。この点もイージスとの違い。

月影・抜刀

 今回初撃が無かったこともあり、上位では防衛手段として宵闇マウントが採用されていたようです。リーグ戦50勇クラスでは全く見かけなかった防衛の布陣ですが、あそこまで圧倒できるというのは予想外。

 こうなってくると熊やモモンガで手数重視という戦術は通用しません。実際、全ての仕掛けできちんと合わせ行動で稼いでいました。

 マウントにせよ、合わせにせよ、組織的に動くというのはトナメ連合ならではだと言えます。

 もともと月影と抜刀は超希少な壊れスキル。コストが低いですが狙って集めないと意外と揃い難い。運営が今回のマウント劇をみて追加投入してこないかが心配です。増やしすぎると宵闇登場初期の様な殺伐とした環境が再来する危険があります。

攻撃と計略

 奥義構成のタラレバはありますが、個人的には勝敗を分けたのはこの系統差異だと感じました。

 最終ポイントはロジック940兆、イージス924兆で差は16兆。ダメージに換算すると1.6京。

 両者の絆火力を獲得合戦ポイントで比較してみます。端数切ってるのと反魂タイミングをちゃんと見てないのであくまでもざっくりです。

※単位:兆

  • ロジック
    • 熊:160
    • 風:340
    • 猿:140
    • 反魂:100
    • 狸:200
  • イージス
    • 風:360
    • 熊:240
    • モモンガ:124
    • 反魂+巌流:120
    • 水:80

 風はほぼ互角、熊はイージス、猿モモンガはややロジック。反魂巌流はイージス。驚愕はロジックの狸。発動時の点差は100兆ビハインドで狸では射程圏外...と思っていたらぐんぐん伸びて抜き去り。最初からラスト狸を決めていて、攻守ターン制の流れの中で猿を使うつもりで戦略を作りこんでいたのでしょうか。イージスの手持ち的に熊さえなくなればラストは狸でじゃんけんしてもしなくても総合力で押し切れるという目論見もあったように思います。

 勿論、奥義の時間、順番によっては勝敗が変わったと思いますが、計略メインという大枠の基本戦略が同じ中で狸を含め計略リソースを最大限活かそうとしたロジックと、攻撃も含めて愚直に高火力積み上げを狙ったイージスという構図。

 ロジックは風に月、モモンガに不落と防衛奥義を合わせているのに対してイージスは絆後出しでロジックの絆を全て奥義無しで受け止めていました。この点も小さな積み上げですが差になっていたと思います。寧ろその状況であれだけの火力を出していたイージスの底力が恐ろしいです。

 他絆を見てないので正確に比較できていませんが、最終水霊のイージスのダメージを拾ったところ計8.3京。使用スキルは主に25武蔵と匠謄飛。合わせ回数は5回(多分)。最小5兆、最大7400兆と振れ幅は大きいですが平均で3000兆超のダメージを叩いており、風兵法にも関わらず水霊敵中の強さが際立っていました。

 注目したいのは攻撃と計略の最大の差別化ポイントであるhit数。水霊に千軍が数発含まれていましたが、その他のスキルを5hit換算してみると約12京。hitした相手にも寄るので単純にそうだとは言えませんが、もしも騎馬フルヒットがあと数発あれば捲っていた可能性もあります。あるいはモモンガの位置に水霊を使うことで巌流底上げできていれば捲っていた可能性もあり。ただし、後者はモモンガをフルで使えなかった分の減少もあるのでなんとも言えません。

 計略の最大のメリットは必ず5hitするという点。また最大火力は奥義効果も含めると恐らく敵中が最大ですが、火力水準は計略の方が圧倒的に高い。ロジックは恐らく総火力ではイージスの方が上と目算、火力不足を補う方法として完全に計略に寄せきるのとランダム要素を極力省いて堅実に打点を積み重ねて最終的に相手を上回れば良い、という戦略だと思います。

 火力不足に関しては水霊を使うことで上振れが期待できますが、ランダム要素があるのと攻撃要素を入れてしまうことで計略力がやや弱まってしまうのを避けたんじゃないでしょうか。猿は追い抜くことはできませんが、反魂仕込みとリソース温存という意味ではトナメクラスでも有用。

 ハイブリッドデッキや戦略は場合によっては総合火力で特化を上回りますが、反魂・巌流の有無と合戦の流れによって変動幅も大きいデメリットがあります。対する計略特化戦略は変動幅が小さい。また、計略特化でも千軍を使うことで巌流仕込みが可能ですが、それも捨てて完全に計略に振り切ることで嚢中や鋭敏などスキルも計略系に寄せきることできます。つまり無駄を削ぎ落していくことでより精度と最大高めるという発想。ハイブリッドも前後含めたローテをしっかり組むことでスキルの無駄を排除することができますが、特化に比べるとどうしても不純物は残ります。

 履歴を全て追ったわけではないのですが、ロジックは千軍も使わない完全な計略特化戦略だったんじゃないでしょうか。

 最近の天一はどこも似たような戦略でしたが、今回の賢王は新兵法のお陰で戦略差があって久しぶりに白熱した合戦で面白かったです。