バランス調整(予定含む)要素と陣略考察

天将限定カード追加

 今回追加された蘭丸の九尾狐は全系統対応の汎用補助。九尾以外のスキル構成は平凡ですが、才華と前後空き枠なのでトレンドに左右されずに使える点が優秀。回数系のスキルは総じて効果量が大きいので倍率は高そう。

 低発動率高倍率の補助が増えることで冥応・自在天・天部の価値も上昇。すごろく(冥応:19景勝秘技)と7周年交換券(自在天:23信長秘技、冥応:23景勝極意)で入手可能なので未所持の人は優先的に確保しても良いと思います。温故がまだならそちらが最優先。

堅牢

 水霊防御用スキル。水霊一強を壊すために勇猛系や計略系の強化を進めているようですが、思ったほど差が埋まらないので調整の仕方を変えてきたのでしょうか。比較的低コストな点と無難なスキル構成で多くの人に有用。低コストなのでトナメを狙う人以外は焦らなくてもそのうち勝手に揃いそう。

 軽減系のスキルは前衛全員で揃えると強力ですが、単独では効果を体感しにくい点が普及を邪魔しています。発動率は上がったもののコンスタントに削ろうとすると3種3個の計9枠は使いたい。軽減率は3種発動Lv20で10%ですが、巌流や反魂にも軽減が掛かるようになったので実質的な軽減率は10%以上。堅牢単独で仮に最大10%程度だとしても2枠で既存9枠分の効果を出せるなら十分でアタッカーのデッキにも潜り込ませたいです。

匠上書き継承

 スキル玉集金システムの加速が止まりません。現状で大きく影響するスキルは伝家・甦神・雄飛・群飛。伝家に続いて甦神もスキル玉になったのでそのうち殆どのスキルのレシピが追加されそう。

 匠上書きを進めることで本隊長の纏まり問題が解消。また匠上書きで期待される火力上昇値は凸による回数増威力増を含めてもスキルあたり50%。総火力の内、匠上書きをするスキルの占める割合が解ればどの程度総火力が上昇するかの試算が可能。

 少し横道に逸れますが、スキル玉合成レートと火力レートが一致することはありえません。例えば積憤からの艱難の合成には積憤20発が必要ですが、総火力は艱難1≠積憤20。それどころか最大火力でも積憤の方が上だと思います。それでも艱難にするメリットはあります。火力精度向上。富嶽適性向上。精神適性向上。ソロ防衛への対応。など単純な火力面以外での要素です。ここに価値を感じるかはその人次第。

 総火力の面では本隊長の匠は為虎クラスでも温存して上書きした方が良いと思います。問題は今後の環境が総火力重視になるかどうか、つまり巌魂消効が今度どの程度適用されるかどうか。ですが、陣略で登場した富嶽もいまでは通常合戦で多く適用されているので巌魂消効も同様に適用される可能性は高い。また匠スキル自体が確率でしか生成できないので後になって確保しようとしても難しいことを考えると、匠スキルはなるべく温存するのが望ましい様に思います。

陣略振り返り

 山岳は今まで被退却デッキで作っていたのですが、山岳メインにしつつ平野でも動けるようなデッキを作成。勇猛与退却回数系で本隊長数名を単発系に付け替えて継承スキルは全て単発スキル。勇猛系の無疵、与退却の破竹・刀八、回数系の桜龍・桜龍匠。常時効果は豪勇2快勝2常行1。回数加速系は化形2尚武1転興2。刹鬼・刀八・鳳炎・極突・破竹(凸威力なし)、真槍(凸威力2)での体感の火力イメージ。

刹鬼>真槍(HP1)>刀八>桜龍匠>極突>桜龍>真槍(満タン)>鳳炎≒無疵>破竹

 極突は覚悟系のスキルを積んでいればもう少し評価は上だと思います。破竹は全然伸びませんでした。古いスキルなので上昇値の減衰設定が他と違うのかも。刀八に関しては攻撃のみで退却を稼いだ結果なので計略で退却数をガンガン稼ぐ場合はもっと伸びるかも知れません。無疵は豪勇の対象になって以降の威力が割と高くて使い勝手が良いです。HP依存で時間に依存しないのでローテ戦略や先行戦略を取る際にも有効。そして桜龍などの回数系がやはり強く感じます。化形持ちはコスト25、常行持ちは精練とのセットなのが少しデッキを選びますが、最低限の要素でここまで火力を出せる点は優秀だと思います。

 怒髪対策の常夏防衛は有用。実際に攻め・守りの立場で体感したわけでは無いのですが、自軍で常夏防衛をしてくれる方がいて怒髪が近づいた終盤に2名体制にしていましたが最後まで不発のまま抑えてくれていました。怒髪を狙う側は宵闇を徹底して打ち込み続けるしかありません。守り側はソロで守るなら前衛が守りやすいです。初撃有りの場合、回復行動直後に太鼓に行けば叩いている間を初撃分で持ちこたえてくれる可能性があります。さらに後衛は応援=回復行動となるのでAPを必ず消費しますが、前衛の回復行動は退却時であればAP消費無しです。瞬時は常夏待機中に発動するように菩薩を投入。また怒髪近くになった場合の保険として鶏鳴も欲しい。以前はカウントが長くて有用だった影武者外しは今回はNG。被弾を抑えるためにダメ減補助も必須。

 怒髪さえ阻止できれば平野と河岸はラストまで可能性を残します。逆に怒髪を発動させて大きく稼いだ後は相手の絆に後出しで鬼謀を合わせるか、常夏ソロ防衛でダメージ効率を落として逃げ切ることが可能です。山岳は最も防衛に不向きな陣地ですが、先行しやすい、追い上げしやすい、という二面性を持っておりそれをどのように戦略に組み込むかは軍師次第。例えば追い上げしやすいという面で考えれば山岳は猿との相性がもっともよいと言えますが、それは大幅な点差に対する絆=猿という可能性が高いとも言えるので狸をおいておけば高確率で潰せるとも言えます。猿に限らずですが、こちらが最も勝率の高いと思われる手は選択肢が絞られるほどに読まれやすくなるという点に注意が必要です。

陣略戦略の考え方

  • 難度(適性)表記
    • 高:☆☆☆
    • 中:☆☆
    • 低:☆
陣地 先行難度 後攻難度 防衛難度 攻撃適性 計略適性
平野 ☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆
山岳 ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆
河岸 ☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆

 個人的に戦略を考える上で重要だと思うのは上記5要素。山岳は計略適性も高く、攻撃と計略の撃ち合いになれば覚悟系を削れる点は利点ですが、有用な計略スキルの数を揃えにくいという難点があり総火力では攻撃に劣る評価。

 戦略相性は当然ありますが、巌流と反魂が無効化される今回は陣地選択において明らかな間違いは有りません。重要なのは 必ず一つ生まれる衝突陣地で確実に勝利をすること。 衝突陣地を取るということは相手がそこに費やした火力を無駄にすることになります。反対に優勢陣地で大量リードをしてもそこに火力を回し過ぎて他2陣を落とせばこれも無駄です。

 いずれにしても火力をどの陣地に何点落としていくかが大切で、それを合戦中に調整するなら攻撃計略のハイブリッド戦略がもっとも手堅い戦略と言えます。そしてハイブリッドを活かすなら山岳は外せないので山岳+α。それに対抗する戦略は単体適性を捨てての平野河岸。複数系と単体系のダメージ効率差で2陣を落とすという対抗策です。ただしこの対抗策の最大の問題は衝突陣地の勝利そのものです。山岳+α側にすれば山岳の余剰火力を平野or河岸に回すことが容易なので相手の火力バランスを読んでより低い方を取りに行けば勝率が高まります。逆に平野河岸側は火力バランスを悟られない様にしてなるべく衝突陣地の勝敗を引っ張り最後に勝ち切るような動きが必要になります。超難しいですけどね。

 山岳+αの戦略で行く場合のデッキも実はそれほど難しく有りません。攻撃に関しては本隊長スキル全てを単体スキルで纏めるには天破or被退却で無ければ難しいです。その他の系統の場合は必ず数名の複数系本隊長が含まれるはずです。また強力な複数系スキルであれば山岳でも火力は十分。例えば為虎・伝家の24小次郎と破竹・閃刃の22豊久を比較した場合、山岳でも小次郎の方が火力は上です。この場合小次郎の継承枠に単体スキルを継承するだけで山岳と平野両対応の本隊長となります。極端ですが普段の本隊長の継承枠を全て単体スキルで埋めるだけでも2陣対応できます。もちろんそれだと山岳適性はそこまで高くないので数名の本隊長はより山岳適性の高いカードと入れ替えるなどして火力の比重を調整する必要はあります。基本的には山岳に寄せつつコスト24極意以上のスキル保有のカードに関しては複数系であっても本隊長として採用すると良いです。計略も基本的には同じ考え方。計略は攻撃よりも更に単体特化カードが少ないのでそもそも単体に寄せ切るのは無理です。

 そうするとこれに対抗する策は平野+河岸というのもなんとなく解ると思います。山岳を捨ててしまえば平野or河岸の一方は確実に撃ち合いになります。そうすればより複数系に寄せている方がダメージ効率は上です。残る陣地は怒髪を狙って突き放し、それ出来なくても衝突陣地を制すれば相手は残りの陣地に流れてきます。そうすれば結局撃ち合いとなりダメージ効率差で有利。なのですが、先ほども書いた通り相手は相対的にこちらのより攻めやすい陣地を狙えばいい、更に山岳をフリーにすると簡単に大きなダメージを取られてしまうので火力を温存される可能性も高く、相性面で絶対有利とは言い切れません。攻撃or計略特化に比べれば駆け引きの要素を残す程度のものです。相手が山岳に過剰に火力を落としてくれると勝率が上がりますが、山岳を捨てていると思われると厳しいので後追いする動きを見せておく事も必要になります。そして平野+河岸を選択した場合は、攻撃or計略特化の戦略に相性不利です。こちらも結局は山岳を最低限で落とした後に残りの火力を衝突に集めるだけで良くなります。

 戦略相性で考えても攻撃計略のハイブリッドは必須。陣地は山岳確定で残りはどちらでも行けるような体勢が良いと思います。最悪山岳を捨てても勝てる道も残るし、連合全体の総火力を活かすという意味でも攻撃or計略に特化するメリットはあまり感じません。

理想と現実

 ハイブリッドで相手に応じて陣地を変える、が理想ですが。これをやること自体が難度が高いです。一番ダメなパターンは取れない陣地に火力を落とし過ぎてしまう事、牽制の意味である程度の火力を落とすことは必要ですが、状況をみて判断しようとしてタイミングを誤ると火力の無駄遣いです。そもそもこれが出来るのは牽制火力を使える連合です。具体的に言えば火力の頭数として数えることが可能なメンバーが何名いるか、ということです。小さな火力でも衝突陣地や固める陣地に上積みする火力としては良いかもしれませんが、合戦ポイントの動きが小さな火力では牽制の意味を成しません。受ける側の視点で見れば解りますが合戦ポイントの動きが大きいほどに危険を感じます。

 なので現実的には攻める陣地は最初から決め切るのが良いと思います。メンバー分析で攻撃と計略の比率を確認します。そしてより火力の大きな方(平野or河岸)を取って残りを山岳に当てるという考えが良いと思います。最初に得意陣地を取りさえすれば後は常夏や鬼謀で防衛。残りの火力を山岳に集めていけば後追いの利も活かせるし火力が無駄になりません。前回の陣略でお邪魔した連合はこの動きが出来ていて戦力の割に勝率が高かったです。(無双の火力が桁違いだったのもありますが)

あとがき

 武王戦は完全にスルー。少人数合戦も初めはそれなりに楽しめたのですが勝ちパターンを確立してしまうと作業感が多人数よりも強くてあっという間に冷めてしまいました。

 一時的な最適解が生まれても、いずれそれに対抗する策が生まれる。以前の炎舞はこのサイクルがきちんと回っていましたが、いまは対抗策ではなくて時点の最適解が更新されていくだけです。そしてそれが簡単に見つかり、その練度をどれだけ上げられるかという作業感溢れる窮屈なゲーム性に感じます。巌流もコスト25が出てこなければここまでぶっ壊れたものにはなってなくて、武王戦においても最後まで駆け引き要素を残す良スキルでした。

 現実に目を向ければそもそも練度を上げること自体が多くの連合では不可能。実現不可能な戦略よりも実現可能な戦略を立案すべきです。そこに戦略性の余地があるとも言えるのですが、やりたいことを実践できないもどかしさも生まれてしまいます。難しいですね。