計略戦略考察

まえがき

 選抜・攻城は普段声の掛からない計略連合さんにお世話になりました。指揮をする機会も頂いたので振り返りを兼ねて計略について考察。あくまでも攻撃特化な人の視点。

計略の長所と短所

 戦略を考える前に計略の長所と短所を確認。

  • 長所
    • 常にフルヒット(立ち状態の相手のみ)
    • 攻撃よりも火力水準が高い
    • 攻撃よりも奥義の倍率が高い(通常、絆共に)
    • 風霊がHPに依存しない
    • 連舞が切れない
    • コンボ停止奥義が効かない
  • 短所
    • ポイント劣勢時に退却相手への有効打が無い
    • 計略版の猛追が無いのでHPを削れない
    • 連舞を稼ぎ辛い

 最大威力の隕石・鳳嵐系はHP依存ですが、HP非依存スキルの厚みも優秀な上に風霊がHP無関係に最大倍率を叩けるので、攻撃に比べるとHP妨害の影響が小さいです。また通常奥義の倍率もかなり高く、神懸り1.5と火霊6で4倍なのに対して、神降ろし3.15と風霊8で約2.5倍。通常奥義を上手く使えば絆依存度を下げる戦略も取れそう。

 最大の欠点はポイント劣勢時に退却相手への有効打が無い点。攻撃であれば通常通りに強打を叩き込むことができますが、計略スキルは退却対象外なので例えば猿を入れても寝られてしまうと全く打点を稼ぐことが出来ません。

 計略は強力な反面、デメリットもそれなり。

対計略の定石

 過去の定石思い出し、といってもそんなに数はないです。

  • 影武者発動率を落す
  • 先行仕掛けをして寝る

 影武者発動率を下げることで寝やすくして相手の仕掛けを躱すというもの。暴欲一発で合戦が決まっていた時代によく見かけた光景です。これって絆への対処とほぼ一緒。強打は抑えるよりも躱す方が確実。でも闇鶴フォローがしっかりしていないと自軍の山場でも火力を出せなくなってしまうので実践するのは簡単ではないです。

対計略への対応

 一番きついのは先行から寝られてしまうパターン。先行されなければいいと言えばそれだけですが、格上相手だとそれが難しい。そもそもどういう場面で先行を許してしまうのかを考えてみます。

 例えばずらして絆奥義を使われてしまうパターン。最近はずらして鯱で大量リードを取って逃げ切る連合も見かけます。ずらしを警戒するとなると様子見し続けるしかありません。仮に一度でもずれが発生した場合、退却を徹底する連合相手だとダメージレースで不利。計略戦略を計略特化ではなく計略主体と定義するなら、攻撃特化メンバーを前に加えたり、ハイブリッド気味にデッキを作っておけば相手が退却を決め込んでも追いつける可能性はあります。計略特化の場合は先行された時点で不利。

 他には中盤の神降ろし等の長い奥義に絆奥義を当てられて一気に取られてしまうパターン。通常奥義でも火力を出せるとはいえ、ここに絆奥義を当てられてしまうとやや不利。計略の長所を活かすなら殴り合いは寧ろ好都合なのですが、相手狸だとステ維持が難しく、火霊だと相手を助けることにもなってしまうので、これらの絆相手だと守りに徹したい。ただ攻め奥義へのカウンターとして受けているので月や破城と比較するとそれなりに打点を取られてしまう可能性が高いのも注意点。神降ろしのスペックは高いので状況次第ではそのまま推し切る選択肢もありですが、絆投入確認、または絆の気配がある際は消魔で消してから後追いの月や絆なども選択肢として考えておく必要がありそう。

 寝対策は単体系強化。大逆等の寝計略は現状火力が低すぎるので相手が全退却する前に稼ぐ方が良さそうです。鯱の有用度もあがるので無駄がありません。被退に寄せている場合は精度が落ちますが絶雷や嚇霊で代替。

暴欲の器

 イベ中に何度かあったのですが暴欲が予想以上に伸びました。絆奥義中心の環境なので通常奥義への警戒心が低いのと、隙間に差し込めるので不意を付けるのが理由だと思います。ダメージの基礎はステ差という点は攻撃も計略も同じなので、警戒されにくい通常奥義は割とダメージが通りやすい。更に計略はその通常奥義の倍率が高いので不意を付けば絆奥義以上に稼げそう。問題はそこで全員が強スキルを使ってくれるか、風霊と暴欲なら風霊により強いスキルを使いたくなります。なので暴欲などの通常奥義でしっかりとダメージを取るには通常奥義でもステ差を作ればダメージを出せるという共通認識を持つ必要があります。

スキル配分

 通常奥義でも火力を出せる計略の場合はスキル配分がかなり難しいように感じました。ある程度のクラスになってくるとスキルが枯渇することは無いですが、スキルの強弱があるのでどのタイミングにどのスキルを撃つかは重要。例えばこちらが全力で上げて100になるとして相手も強く下げてきて80削られると20しか残りませんが、相手の下げが弱く20程度ならこちらは50程度でも30残ります。先ほどの暴欲の話とも同じですが、この点を意識してスキルタイミングを考えます。合わせができればこれも解決しますが、上げ下げ闇鶴の役割分担と時間同期は実際やってみると相当に難しく、また参戦状況によっても変わってくるので連合全体の熱量が揃ってないと再現性の高い合わせは不可能です。なので合わせはできない前提で考えます。

 例えば計略戦略で行く場合、連舞数と絆設定を見れば計略戦略であることはすぐに解るので相手は風霊を警戒するはずです。なので敢えて早めに風霊を使って相手の下げを使わせて他の奥義で稼ぐ。この時も軽く上げておかないと相手が下げを緩める可能性があるので、ブレーキ変動以外でかつ効果量・物量を揃えやすい千紫などでステを作ります。他には中盤神降ろしステ状況を見つつ早仕掛のそぶりを見せて相手に下げないとまずいと思わせて下げを撃たせる。或いは風霊注力で合わせは出来なくても、もう少し大きく区切って優先順を設定、具体的には①発動-100②100-130③130-200の三分割で考えて守りが集中しがちな前半を避けて③②①の順により強いスキルを使うなど。合わせよりも再現性は下がりますが、何もしないよりは噛み合う可能性が高くなります。

 以前はスキルタイミングや使うスキルを細かく指示する軍師さんも居ましたが絆環境では殆ど見かけません。絆奥義が強すぎて指示しなくても勝手にスキル配分を絆奥義に寄せてくれるので必要なくなったのが理由だと思いますが、言い換えるとそれ以外の部分での配分は各人任せが殆どです。なのでこちらが大きく動くことで相手のスキルを誘える可能性があります。

計略戦略

 前置きが長くなりましたが、仮に私が計略連合で戦略を立てるなら以下の方針で考えます。

  • 応援コンボ優勢状態を作って絆ずらしと暴欲で点の取り合いで勝つ

 最終盤の差し合いで絆誘導ができるなら、月・破城による抑えや暴欲殴り合いから絆じゃんけんもしますが、計略の利点を活かして点取り合戦を仕掛けます。攻撃ルールだと勿論攻撃優勢なのですが、例えば武芸之陣は攻撃・応援コンプラ効果に更にコンボ効果上昇ですが、応援は攻計無関係なので差になるのは攻撃コンボだけです。ルールの不利はあっても基本性能は計略の方が強いので例えば四面・雲で攻撃コンボを積ませなければ武芸でも計略側に勝機はあります。

 なので計略戦略で行く場合はこのベース値優勢を常に重視するように意識づけをします。殴り合い性能が高いのでガンガン撃ち合っても良いのですが、勇猛与退の全盛期なので攻撃に対する撃ち合いは状況次第として、基本はずらしによるターン制の殴り合いを狙います。絆奥義に関して、霊系の火水は攻撃、風は計略、他は攻計両方。火と水を両方使う連合は殆どいないので現環境の絆は攻計五分です。通常奥義は計略優勢。その中でも特に絆奥義に匹敵する神降ろし・暴欲は重要。全知もスペックは高いのですが、優勢時の防御減があるので特に終盤はよほどの差がないと使いにくいです。神降ろしは絆無視のごり押しや絆ずらし誘い兼打点稼ぎとしても有用。暴欲は絆ずらしにも同期取りにも有用な上に最終盤に消魔を残していれば絆誘いつつ打点取りと用途は多いです。こちら先行で絆を寝られてしまった場合の補完奥義としても及第点。他用途は割愛しますが、暴欲は最終盤面の差し合いにおいてかなり優秀な駒だと思います。

 絆の差し合いそのもの計略に限った話ではないので割愛します。

分水嶺

 言葉で説明するのが難しいのですが、例えば必ず1,000兆前後を稼げるなら500兆を取られてもまだ問題なし、1,100兆取られるとその時点で不利だと判断できます。応援なども今はコンボ差というよりも序盤の何気ないステ状況で応援優劣を判断していつも通り稼ぐのは難しそう。など、この見極めを正確かつ早期にできるようになると合戦の進行がしやすいです。

 この判断をするためには情報が必要。基本的には結果ベースに情報を蓄積。その際に注意が必要なのは全く同じ状況はないということ。同じ奥義対面でも相手や状況が違えば結果が変わります。大事なのは結果の差になった原因が何なのかを分析することです。例えば先行鯱の仕掛けも応援優勢だったりその時の前衛メンバーが単体得意なら成功率は上昇、逆にそれらが不足すれば成功率は減少します。こちらのメンツが同じでも相手の防御が上手ければまた変わってきます。

 これも育成連合時代にもよくやっていたのですが、実戦振り返りと同時にタラレバの考察をしていました。タラレバは「言い訳」だと言われたこともありますが、別場面の想定だと思ってもらえば肯定的に捉えることができると思います。実戦ベースに会話した方が場面を共有できているのでわかりやすいですが、それだけだと未経験の場面への対応力が育ちません。なので実戦と想定の両面から情報を蓄積することで応用力を鍛えることが出来ると思います。

あとがき

 正直軍師に対する熱量は殆ど残ってないと思ってたのですが、シミュレーションを始めたら止まらなくなってイベ中は寝不足気味でした。でも久しぶりの指揮は楽しかったです。

 最近炎舞内のとある人に話が長くて何言ってるのかわからないと言われたのですが、例に漏れず長くなってしまいました。言い訳ですが、合戦後の振り返り解説も同様で、忘れないうちと思い浮かんだことを整理する前に一気に書いているので見直して綺麗に構造化するのは諦めてます。