陣略大乱撃の戦略考察(とある300勇連合の場合)

まえがき

どのルールにも当てはまりますが、前提条件次第で取りうる戦略の幅は変わります。普段は連合状況を無視した考察を書いていますが、今回はとある連合を基準にして考察してみたいと思います。

前提

  • 参戦率1.5
  • 平均参加者10名前後
  • 陣地適性A-E(河岸:A、平野:B、山岳:D)

参戦率は勧誘板などで良く見かける数値。戦力は主力メンバーとその他のメンバーで差はあるものの比較的近い数値で纏まっています。陣地適性は連合内の相対評価。デッキ診断の結果と、戦績をベースに採点。

前提条件を無視すれば、戦略上の重要陣地は山岳≧河岸>平野だと思いますが、連合がそれに対応できるかは別の話。事前準備の段階で可能な限り各陣地への適性を高めるのは必要ですが、無理なものは無理なので山岳の火力を確保できない場合は連合の陣地適性の高い陣地を重要陣地として戦略を組み立てるべきです。なのでこの連合の場合の重要陣地は河岸>平野>山岳。

布陣と戦略の例

※()内の数値は不参加メンバーの配置

  • 平野 5(1)
  • 山岳 1(8)
  • 河岸 4(1)

山岳を完全に捨てて、平野と河岸に最大9名集められる布陣。山岳を捨てるとはいえ終始守備隊の状況にしてしまうのは明らかな悪手。ステを作られてしまうのは防ぎようが無いので魑魅で相手のステを抑えつつ最大ダメージ(巌流)を削る。ラストまで怒髪防止を徹底できれば精神は完全に寝過ごすことが可能。前衛デッキは退却能力増減全種にダメ減と地黄をガン積み。影武者も0個にすることで相手の攻撃回数を大きく削ることが出来ます。結果、相手が山岳でダメージを取るには極突・真槍・飛恋くらいしかありません。それでもステガンガンに上げた精神で打撃を受けてしまうとリカバリーは不可能。無理にコンボや点差を詰めようとせずに怒髪防止を徹底する事で相手に早々に陣略固めに以降させないように立ち回ることが重要。

山岳に相手をある程度引き付けておいて平野と河岸を落とすのが本流。状況を見て一時的に平野・河岸どちらかに戦力を寄せるのは勿論ありです。仕掛けの基準は通常の仕掛けと同様ですが、陣地間の連携でも相手も動かせる可能性があります。

例えば、平野で中盤に神懸りを投入。相手はそれを避けて1名残して残りを山岳と河岸へ退避。この場合は、山岳と河岸で仕掛けが可能になります。相手が移動先でも退却して時間を稼ぐなら天性無欲で叩き起こせばいいです。これは通常合戦で相手の仕掛けを寝て躱すと同じ感覚。遊撃ルールの場合は寝て躱すのが難しいですが、陣略の場合は陣地移動する事で代替になります。でも各陣地に定員があるので、20名連合の場合に人数を減らして躱せるのは1面のみです。つまり2面同時攻めをした場合、躱せるのはどちらか一方のみになります。これは2面攻めよりも3面攻めの方が効きます。それぞれの攻め奥義を並べてみます。

  • 平野:神懸り
  • 山岳:精神
  • 河岸:暴欲

精神と暴欲が足が短いので少し長めの奥義に置き換えてみます。

  • 平野:神懸り
  • 山岳:神懸り
  • 河岸:風雷or全知(下付け)

こちらの方が逃げ道を塞ぐのに有効。おそらく奥義縛り対象外の河岸を受けに1面は河岸で確定。もう1面は状況次第。全戦陣で応戦するには参戦率同等以上でないと難しいです。

この戦略例に当てはめて考えると相手は山岳を盤石にするために確定、残りもう1面は状況次第になると予想されます。こちらは河岸適性が最大なのでなるべく河岸に相手を誘い込みたい。そのため、河岸は状況有利でも突き放しはせずに僅差を維持。平野はガンガン先行を狙います。先行を狙う為、初期布陣では平野に主力を集めておきます。同時攻めのタイミングはラストを基本に、平野の神懸りは後押し、河岸は全知→暴欲などで一気に捲るイメージ。ラスト手前に仕掛けて河岸を取ってしまうと、山岳メンバーが平野になだれ込んでしまい混戦になってしまいます。

この戦略の穴は相手が最初から平野と山岳を落とすつもりで来た場合。平野で先行もできず河岸で仕掛けを引っ張っているのが裏目に出てしまい、最悪河岸も取られる可能性があります。対処としては単純に河岸と平野の役割を逆にするのが良いのですが、退却数に依存しない強計略が存在しないため先行が難しいです。なので平野の先行に失敗した場合はラスト勝負の中で少し早めに河岸で仕掛けてできるだけ相手を揺さぶるくらいしか打つ手がありません。

あとがき

この戦略は現状分析に注力するためにお蔵入りした戦略なので通用するかどうかはわかりません。この例では陣地適性に偏りがあるので少し戦略の幅が狭まっていますが、陣略は3面どれも狙える場合に戦略の幅が大きく広がります。でも大事なのは選択肢の数そのものではないです。選択肢を考えるのは想定外の状況に素早く対応する為、最終的には戦略の精度を高めるために選択肢の取捨選択を行っていきます。

私が戦略を検討する際のロジック。

  1. 思いつく限りの戦略を並べる
  2. 最も勝率の高いと思われる戦略を抜き出す
  3. 抜き出した戦略の弱点を補完する戦略を選択肢として残す

選択肢の数が少ないならその分3.に厚みを持たせればいいです。

[補足:戦略の精度を高めるために選択肢の取捨選択]
取捨選択するだけで精度が上がるわけではありません、限られた時間で準備をするためになるべく選択肢を絞り込むことで精度を高めるための作業時間を確保できる。という意味です。