遊撃班分けの考え方

まえがき

とある連合の盟主が班分けで悩んでいたので私が班分けする時に考えていたことを公開します。連合メンバーや参戦率等、考慮する点はいくつかありますが、あれこれ考えすぎてうまくまとまらない理由は、班分けの目的が明確になってないからです。

班分けは 場面配置の明確化と指示を簡易化をする という意識を持つことが大切だと思います。

班分けしないと何が問題なの?

問題点は二つです。

一つ目は前衛過多。

前衛が多くなりすぎるとステ負けします。ステの優劣は合戦における基本かつ最重要ポイント。遊撃の特性は通常比で的が最大4倍になるため、参加人数に比例してステ変動が緩やかになります。表現を変えればステを維持しやすい。だからと言って後衛を減らしても大丈夫にはなりません。後衛が減ることで応援総量が減るだけでなく、仁王などの前衛を狙い撃ちできるスキルも活かせず、必要な場面で必要なメンバーのステを高くすることができません。

二つ目の問題点は前後移動指示。

全前や全後といった指示は明確なので問題ありませんが、例えば「前衛少し上がって」「前衛少し下がって」といった指示を出した場合、想定以上に移動して偏ってしまうことがあります。もう少し明確に「2名後衛に下がって」と指示を出してみても多分同じことがおきます。ひとりずつ指名して動かせばこういったことは防げますが、そんなことやってられないので「班」という纏まりで動かす方が楽です。班分けをして「○班前、それ以外後ろ」という指示出しをするだけで二つの問題点を解決することが可能です。

遊撃の基礎知識

遊撃ルールで対象が前衛に絞られるスキルがいくつかあります。

  • 毒酒
  • 仁王・供饌系
  • 刈魂系
  • 投石系

前衛を増やすことのメリットは投石系と刈魂系の的が分散されること。デメリットは毒酒、仁王・供饌系の的が増えることです。減らした場合のメリット・デメリットはそのまま反対になります。

毒酒は同期前提で使うので相手の妨害に関してはあまり考える必要はないです。そもそも通常前5人のルールで毒酒連携を決めることが可能なら、遊撃の投石を避けるのは難しくありません。遊撃で毒酒連携を止められるとしたら兵法蛞蝓の全前計略くらいです。賢王戦で大蛇ではなく蛞蝓主流だったのは全前計略を避けて絶天を決めることが難しく、精度を保証することができなかったからです。

そうなってくると前を増やすメリットは刈魂系の分散化ですが、刈魂系と仁王・供饌系の撃ち合いをした場合、上げが負ける可能性は低いです。スキル玉合成機能によって仁王系の大量確保が簡単になっているので応援総量で負けることは考えられません。

つまり遊撃ルールでは前衛人数を多くすることによるデメリットはあっても、少なくすることのデメリットは殆どないと思っていいです。

じゃあ前衛を常に2、3名に抑えればいいかといえば、それも違います。確かに陣略山岳のようにガンガンローテを回す戦略も選択肢の一つです。でも陣略のあれは色んな条件が重なって可能な戦略なので遊撃での過剰なローテはお勧めしません。

班分けの準備

班分けの準備において、メンバー分析と場面想定はどちらが先でも構いませんが、どちらか一つが欠けるだけで班分けは難しくなると思います。

メンバー分析

戦略に合わせて全員がデッキを作り込むか、メンバーに合わせて戦略を組むか。理想は前者ですが、多くの場合は後者になると思います。そうなると必要なのはメンバーの分析です。育成連合時代も後者のケースで班分けをしていましたが、その時に見ていたのは以下の点。

  • 攻撃火力
  • 攻撃スキル系統
  • 計略火力
  • 応援力(上げ下げ合算)

参戦率に関しては完全に除外してました。基礎知識で書いていますが、前衛が少なくなることのデメリットは殆どないので、参戦率の問題で前衛班の人数が減っても問題がないからです。

場面想定

メンバー分析までしてここをやっていない、あるいは想定が足りない軍師が非常に多いです。ここでいう場面というのは 合戦における全ての場面 を指しています。全てといっても実際にはそんなに多くないです。

  • コンボ
    • 前注力
    • 後注力
    • 調整
    • その他
  • 攻め
    • 奥義A
    • 奥義B
    • ...etc
  • 守り
    • 奥義X
    • 奥義Y
    • ...etc
  • 点数調整

基本配置はコンボその他のパターンで、敵味方のコンボに応じて注力、調整を使い分け。攻防は奥義に合わせて考えます。現環境なら最低限絆奥義のパターンは欲しいです。点数調整は仕掛けに似ていますが、通常は使わない予備火力として準備します。あくまでも調整なので長い奥義ではなく精神や一意等の2分奥義を使います。

班分け構成例

構成例①
  • 班分け
    • 1班:前衛特化
    • 2班:両刀前より
    • 3班:両刀後より
    • 4班:後衛特化
  • 配置:用途例 ※6パターン
    • 1234-:開幕HP作り、中国
    • -1234:中国、
    • 12-34:コンボ調整、神懸り後半
    • 3-123:点数調整(前3後1)
    • 1-234:仕掛け(前1後23)、通常
    • 2-134:仕掛け(前2後4)

育成連合で絆奥義登場以前に使っていた班分けです。メインの火力はあくまでも1、2で3は予備火力。4に関しては原則的に後衛専属。基本的には稼ぎに行く時間に応援が疎かにならないような構成。応援が偏りすぎない様に後衛の山場も班を指定。この配置パターンを使い分け。

実際の合戦の流れに当てはめて見てみましょう。

  • 奥義順:回生2→星4.3→沖天7→四面13→暴欲15→一意17→神懸り23→月25→鬼謀30
    • 回生:1234-:HP作り
    • 星:12-34:差を作りすぎずに中国を牽制
    • 沖天:-1234:全員で一蓮解放、後衛コンボを広げる
    • 四面:1-234:コンボ積み
    • 暴欲:3-124:四面の間に離された点数を詰める
    • 一意:2-134:2の山場で突き放し
    • 神懸り:1-234:1の山場
    • 神懸り(残り60s):12-34:ステ作れたら後半2も上げて強打打ち切り
    • 月:1-234:下げ
    • 鬼謀:12-34:宵闇と下げ、宵闇切れたら順次後ろへ

例が少し古いですが、6パターンで合戦を構成できそうです。実戦において、一意で2の仕掛けが失敗した場合は、月で再度2を使ったり、神懸りでの上がりを少し早くしたりしていました。

ここまで準備できたらそれぞれの班にメンバーを振り分けます。1は前衛中心ですが3の攻めを支えるので後衛力が極端に落ちるのもNG、最低1名は後衛力がそれなりにある人を。2は火力と応援どちらも必要なのでバランスよく。3は予備火力として使うので後衛の中でも火力のある人を。4は2をひと班で支えるので応援強者を優先的に。戦略やメンバーに応じて微調整はしていきますが、基本方針はこんな感じで決めていました。

構成例②
  • 班分け
    • 1班:火霊特化
    • 2班:水霊特化
    • 3班:後衛・計略特化
    • 4班:後衛特化
  • 配置:用途例 ※6パターン
    • 1234-:開幕HP作り、中国
    • -1234:中国
    • 12-34:コンボ調整
    • 1-234:火霊、通常
    • 2-134:水霊
    • 3-123:風霊、暴欲

絆奥義を使いだした頃に使った班分け。絆奥義に合わせて適性の高いメンバーを配置。複数系統に対応しているメンバーは相対評価で適性の高い班に割り当て。或いは戦略上重要な班を手厚く。その他の基本方針は構成例①と同じです。

4班各5名配置にしているのは前衛は最大5名という基準を自分の中で作っていたからです。参戦率で0~5名の幅はありましたが、前述したように「前衛過多を防ぐ」「前が少ないことはデメリットではない」という観点でこれが最適だと考えたからです。12の参加が少ないのは何度も書いているように問題にはなりません、1or2の参加が0の場合はもう片方の班を両方の配置に割り当てていました。その場合の配置パターンは以下の通りです。

  • 134-:開幕HP作り、中国
  • -134:中国
  • 1-34:通常、火霊、水霊、コンボ調整
  • 3-14:風霊、暴欲

こんな感じで使える配置で代替。これで戦略の大幅な変更をせずに対応可能です。水霊適性が低いなら水霊を囮として使えばいいです。この場合に無理に水霊を使おうとすると全体バランスが崩れてしまうので、戦略を最初から検討しなおす必要性が出てきてしまいます。34が少ない場合でも仕掛けはひと班だけを前にしているので大きくステを落とすことはないと考えていました。

班分けの手順

ここまでの内容を整理してみましょう。班分けの手順は以下です。

メンバー分析・場面想定→戦略検討→各場面での配置パターン検討→班に人を配置(※想定した場面すべてをそれなりに満たせるか)

例では4班分けにしていますが、仕掛けを増やすなら班を増やしてもいいです。人数も均等割りにこだわる必要はありません。問題点や基礎知識の部分に書いていることにだけ気を付けて運用できればいいと思います。

あとがき

一言で上手く説明ができないのですが、空手の「型」をイメージしてもらったほうがわかりやすいかも知れません。攻防一連の動きをひとつにまとめる。事前に準備さえすれば、あとはその時に最も有効だと思う型を選択して行くだけです。

冒頭にも書いていますが、班分けが決まらないのは目的がはっきりしていないからです。班分けはそれが目的ではなくて手段です。

遊撃だから班分けしなきゃ、と思ってる人は班分けが目的化してしまっているので、そもそもなんで班分けするんだろう、と立ち止まって考えてみるといいと思います。